季節の変わり目や、雨が降ったり台風が来たりするときに体調がなんとなく悪くなる方は多いのではないでしょうか。
気候が変化すると体調を崩してしまう大きな理由として、寒暖差と気圧変動により自律神経が乱れてしまうことが挙げられます。
自律神経を整えたいのであれば、身体の緊張やストレスを減らし、リラックスさせることが大切です。
今回は、そもそも自律神経とはなんなのかということから、自律神経を整える方法までお伝えしていきます。
「自律神経」とは
自律神経を整えるために、まず自律神経がどのようなものなのかを理解しておきましょう。
自律神経とは、身体の内外からの情報や刺激に対して自動的に反応をするもので、内臓の働きや呼吸、血液循環、消化、代謝や体温の調整などの役割を担っています。
気温が高くなると自然に汗が出て体温調節をしたり、食べ物を食べた時に胃や腸が動きだして消化活動を行ったりするのが自律神経の主な働きです。
この自律神経は身体を活動モードにしてくれる交感神経と身体を休息モードにしてくれる副交感神経という2つの神経から成り立っています。
自律神経が乱れとは、この2つの神経のバランスが保たれなくなることを言います。
自律神経が乱れる原因として、人間関係の悩みや仕事でのプレッシャーによる精神的なストレス、過労による肉体疲労などや、昼夜が逆転したような不規則な生活が主に挙げられます。
交感神経
身体や頭がアクティブに働くときに優位になり、自分を活動モードにしてくれます。
気合いを入れて仕事をしようとするときや、トラブルを回避しようとする際に、血液循環や代謝を上げて活動性を高めてくれます。
また、携帯電話や電子機器、ゲームなど、ブルーライトを放つものをずっと使っていたり、ストレスを過剰に受けていると交感神経を優位にします。
交感神経には仮に疲れていてもそれをあまり感じさせない状態にする働きもあり、交感神経が優位な状態がぱたっと途切れることによって、急に眠ってしまうということが起きます。
よく寝落ちをしてしまうという人は、要注意です。
副交感神経
身体や心がリラックスしているときや睡眠中に優位になり、自分を休息モードにしてくれます。
血圧や心拍数を下げてくれたり、筋肉をゆるめてくれたり、発汗の抑制をしてくれる働きがあり、夜になるにつれて副交感神経が優位に働くようになります。
現代では、仕事で忙しくしていたり、ストレスを抱えたりして交感神経が優位に働きすぎてしまい、自律神経のバランスを崩してしまう人が多くいます。
休むのも仕事のうち、と考えて自分をリラックスさせて、副交感神経の働きを高めてあげましょう。
気候が変化すると体調を崩す理由
結論から言うと、季節の変わり目や雨が降った日など、気候が変化すると体調を崩すのは、寒暖差と気圧変動による自律神経が乱れが主な原因です。
理由としては、気圧・気温・湿度など気象の大きな変化で気圧が下がったり上がったりすると、その情報に対して自律神経の切り替えがスムーズにいかず、交感神経と副交感神経のバランスが乱れやすくなるからです。
自律神経のスムーズな切り替えを妨げている行動は以下の通りです。
- 空調がよく効いた環境にずっといる
- 夜ふかしをしがち
- 身体の緊張や疲労を残したまま寝る
こういった行動をすると自律神経を整えようとする身体の機能が衰えてしまい、切り替えがスムーズにいかなくなってしまいます。
本来人間の身体は暑い・寒いなど外部環境の変化によるストレスにある程度耐えられるようになっていて、自律神経が正常に働くとその変化に対応してくれます。
例えば、真夏に自律神経を正常に作用させるということは、暑い場所なら汗をかくことが必要です。
しかし、真夏にエアコンを付けずに苦行のように汗をだらだらかきながら部屋で過ごす人はなかなかいないでしょう。
また睡眠に関しても、睡眠の質の低下が自律神経の乱れの原因のひとつになりますが、現代では、日が沈んだら眠って朝日とともに目覚める、という狩猟採取時代の先祖と同じサイクルで日々過ごしている人もなかなかいません。
わたしたちは普段から自律神経が乱れる行動を自然としてしまっているのです。
その結果、自律神経のバランスが乱れやすくなってしまい、気象の変化にも対応しづらくなってしまうのです。
自律神経を整える方法
自律神経を整えるためには、「交感神経と副交感神経の切り替えが正常に行われ、バランスが保たれること」が大切です。
なぜなら、2つの神経が両方バランスよく働くことで、自律神経が整うからです。
そのためには、普段から受けている人間関係の悩みや仕事でのプレッシャーによる精神的なストレス、過労による肉体疲労などをそのままにせずしっかり緩和させてあげたり、睡眠の質を低下させる行動の改善をする必要があります。
身体をしっかりとリラックスさせ、自律神経を整える方法を3つご紹介します。
適度な運動をする
自律神経を整える方法で効果的な方法として、適度な運動が挙げられます。
なぜなら、適度な運動は「しあわせホルモン」と言われるセロトニンを分泌してくれて、自律神経の調節をしてくれたり、メンタルの不調を整えたりしてくれるからです。
激しい運動をするのは、身体が疲弊してしまい逆に交感神経が働いてしまう可能性があるので、リラックスして行える軽めの運動が望ましいです。
自転車に乗ったり、リズムよく散歩をしたり、ヨガをするなど、清々しさや達成感を得られるような運動をしましょう。
リラックスして散歩をしたり、軽い運動をすると、気分がすっきりしたという経験はありませんか?
こう感じるのは、自律神経が正常に働いてくれている証拠です。
運動の時間をまとまって取れない場合は、意識的に階段を使ったり、仕事の合間などに肩周りのストレッチをすることから始めても良いでしょう。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
自律神経を整える方法として、お風呂にゆっくり浸かることが効果的です。
理由としては、ぬるめのお湯(38℃前後)のお湯に全身が浸かると、皮膚の毛細血管が広がって血流が良くなり、リラックス効果が得られ、自律神経を整えてくれるからです。
また、寝る2〜3時間前に入浴をすると、睡眠の質を向上させる効果もあります。
逆に、42℃以上の熱いお湯に浸かると交感神経が働いてしまって身体を休めることはできないので注意しましょう。
なんとなく入浴はした方がいいとはわかっているけど、普段忙しいことを理由に入浴はせず、シャワーを浴びるだけになってしまっていませんか?
わたしも忙しく仕事をしていると、「入浴はしなくていいか」とシャワーを浴びるだけになってしまうこともあります。
しかし入浴をしない日は、身体の緊張や疲労が次の日まで残っていることが多いです。
身体の緊張や疲れが残った状態が続いてしまうと、自律神経の乱れにもつながりますので、緊張や疲労を緩和するために、入浴はするようにしましょう。
瞑想をする
瞑想をすることで、自律神経を整えることができます。
なぜなら、瞑想をして呼吸に集中することで、脳を休ませることができたり、ストレスを軽減させる効果が期待できるからです。
その他にも瞑想には、集中力を高めたり、ストレスに上手に向き合う能力を上げることができたり、メリットがたくさんあります。
ハーバード大学のメディカルグループによると、自律神経をコントロールする様々な方法を研究した結果、最も有効だったのは「呼吸を調整する」ということだったそうです。
現代の人は、呼吸がどんどん浅く速くなってきています。
浅く速い呼吸はセロトニンの分泌が減少し、ストレスにつながってしまう可能性があります。
瞑想は、1日の中で少しの時間だけでも取り組むことで脳をリラックスさせることができ、ストレスの軽減にもつながり、自律神経を整えることができるのでおすすめです。
瞑想の方法
今回ご紹介するのは「マインドフルネス瞑想」と呼ばれる瞑想です。
「マインドフルネス」とは、心ここにあらずの状態から抜けだし、心を”今”に向けた状態のことをいいます。
現代の人は、日々何かしらの不安やストレスを抱えて過ごしている人がほとんどです。
短時間でも脳への休息が得られて、ストレスを軽減させ、自律神経を整えることができる瞑想になっていますので、ぜひ試してみてください。
マインドフルネス瞑想法
- 両足を少し開いて、背筋を伸ばして椅子に座る。床にあぐらをかき、両手はひざの上にそっと添えるような体勢でもOK。
- 大きく鼻から吸って、鼻から吐く呼吸を3回繰り返す。
- そのあとは自然な呼吸を繰り返し、吸うときに鼻から入っている空気や、吐き出すときに鼻から出ていく空気に意識を向けてみる。
- 呼吸をするときに自分のおなかや肩がどう動いているか、そのとき聞こえている音に意識を向けてみる。
頭の中では、「おなかが膨らんでるな」「外で走っている車の音が聞こえるな」などと考えると良いです。
ポイント
- はじめは2〜3分、慣れてきたら10〜15分程度行うと良いです。
- この瞑想を行なっているときは、雑念や不安なことは考えず、ひとつひとつの自分の動作や、そのとき周りで聞こえる音に集中してみましょう。
- わたしは朝にYouTubeで鳥のさえずりや川の音のBGMを流しながら瞑想をしていますが、とても気持ち良くておすすめです♪
まとめ
今回は、気候の変化による体調不良をなくすための自律神経の整え方をご紹介しました。
- 適度な運動をすること
- ぬるめのお湯にゆっくり浸かること
- 瞑想をすること
どれももちろん自律神経を整えるにはとても効果的な方法ですが、わたしは朝起きたら瞑想をして、夜は入浴をすることをおすすめします。
もし、上記の方法を試してみても改善されないようでしたら、医師に相談してみるのも良いでしょう。
カウンセリングをして生活習慣を改善していったり、薬物療法や漢方の服用も効果があると思います。
特に自律神経の働きを安定させる役割のあるビタミン群を多く含んだものを摂取するのが効果的です。